(あらすじ)抗体ネットワークによるテロのターゲットである、産業振興センターへと辿り着いたアラト。階上へ向かった彼は、そこで父が開発に関わっているアンドロイド政治家・ミコトを目撃し、その存在にかすかな疑念を抱く。直後、紅霞の率いるテロ部隊と、もう一体のレイシア級hlEが襲来。ビルの中で激戦が始まる……!
なかなか厳しい出来。
アンドロイドに人間社会が乗っ取られるかも?というテーマがあって、近未来の美しいアンドロイドが出てきて、透明化するという興味深い描写があって、アンドロイド同士のバトルもある。面白そうな食材は揃っている。
だが、その間に入ってくる描写がおかしかったり、登場人物たちの行動原理に共感できないので、なかなか物語に入り込むことができない。
なぜかケンゴを助けに行かない主人公アラタ
ケンゴを助けにきたはずなのに、なぜかアラタはケンゴを助けに行かず、ミコトの質疑応答を聞く。
レイシアはケンゴの位置を把握しており、さらに銃撃戦が始まっていることも分かっているのに。
なんで、ケンゴを助けに行かないの・・・?
もしかしたら、ミコトの演説を主人公が聞かないと物語的にあとで困るんだろうか。
だったら、例えば移動中に、レイシア経由でアラタに聞かせるとか、違う方法があるんじゃないか?
今ひとつ伝わってこない、ケンゴの行動理由
なんとなく、hIEが嫌いだってことは分かる。しかし、紅霞に脅されたとは言え、テロ集団に参加して、命のやり取りまでする理由が伝わってこない。
「僕らは大切なものを人間の形をしてるだけのものにかすめ取られているんですよ!」
だから、こんなセリフを吐かれてもシラケてしまう。
第1話で紅霞達が暴動を起こしているけれど、あれはカスタム機のイレギュラー的なイメージがある。
だから、プラスティック・メモリーズのように、hIE全体に、何か問題があるような描写を入れるべきじゃなかろうか。 もしくは、ケンゴのうちの仕事が、hIEのせいで上手くいかなくなるとか。
なぜかhIEに従うテロ集団
テロ集団は、どうやらhIEが嫌いらしい。
だがしかし、どこからどうみてもhIEの 紅霞に従うとかどういうことなのだろう?
『抗体ネットワークの理念復唱!』
「抗体ネットワークは人間と人間社会人間文化を守る!」
『よろしい!』
これって、笑うところ?
絶対間に合わないタイミングで助けられるケンゴ
スノウドロップに操られたhIEが、なぜかケンゴを道連れに、ビルの外に飛び出すのだが―――――。
普通に間に合ってしまう。
・・・絶対に間に合わないタイミングだし、物理的にも落ちる人間を片手で支えるなんて現実的じゃない。
こういうのも、かなりシラケるパターンだ。
ハンターハンター1巻、ゴン、レオリオ、クラピカの出会いみたいに、ケンゴを追ってビルの外に飛び出して、レイシアがなんとかする、とかの方が、アラタのかっこよさが伝わるし、スタイリッシュでいいと思うがどうだろうか。
唐突にはじまる自己紹介
(私はあんたたちに必要なもの。人間との競争に勝つための道具)
(私は進化の委託先としての道具)
(私は人間を拡張するものとしての道具)
申し訳ないけど、失笑ものだ。
脚本描いた人のセンスを疑うよ。
土曜日の夜は、ただでさえ本数多いし、切り捨て御免かな。