超ネタバレを含んでます。グレンラガンの話もしているので、みてない人はここはみない方がよいです。
2クールに渡って、緻密なシナリオで楽しませてきてくれた、ダーリン・イン・ザ・フランキス。
叫竜との戦いもいよいよクライマックス。ヒロたちは、はたして叫竜を退けて自由を手に入れられるのか。そして記憶を失ったミツルとココロはどうなるのか。視聴者としては、彼らの運命からもう目が離せない。そんな中、つきつけられた衝撃の事実―――――
真の敵は、宇宙人だった。
・・・感想としては、ヒナの言葉を借りるとこうだ。
ありそうな感じもするけど、個人的には、ギリギリアウト。
問題点が、3つある。
一つ目は、敵が宇宙人だったという伏線がまったく無いことだ。
ダーリン・イン・ザ・フランキスのこれまでのシナリオは、ほぼ完璧だった。
アニメが始まればその世界に意識がトリップし、終わったあとには心地よい疲労感が残るほどだった。
しかし、第20話でVIRMが出てきたとき、「冷めた」感情とともに、急に現実に引き戻された感じがした。
サプライズは悪くない。それにしても、まったくなんの前触れもなく、敵が宇宙人だったと言われても、ついていくことは難しい。
おそらく、スタッフもその点は悩んだと思われる。
そして、「伏線ははらず、いきなりVIRMの存在を明かす」ことが作品としての良いサプライズになると踏んだのだろう。
だが、ツイッターなどの反応を見る限り、成功とはいえないのではないか。
2つ目は、このアイディアが、名作アニメ「グレンラガン」とまったく同じであることだ。
筆者は、パクリは悪くないと思っている。
アニメや漫画では、もうほとんどのネタが出し尽くされ、ここから新しいものをつくるのはほぼ不可能だ。だから、過去のアイディアでも、オリジナリティをもって繰り出されるのであれば、それは問題はない。
しかし、今回の場合は、グレンラガンとまったく同じパターンである。オリジナリティを感じることはなく、完全にパクリだという残念な感想しか残らない。
第3に、情報を詰め込みすぎ、ということだ。
ラストでスターエンティティが乗っ取られてしまったようだが、その前にココロの妊娠発覚、叫竜の姫、スターエンティティ、VIRMと情報が多すぎる。VIRMの存在だけでも頭が混乱するのに、あまりに情報が多く、ついていくことができなかった。
ここで最初の問題点に戻ってみる。
伏線がないことが問題としたが、伏線を貼ろうとすると、これがなかなか難しい。
考えられる方法としては、博士の回想のときに、エイプの科学力は、地球のこれまでの科学力とはレベルが違っており、宇宙人だったという説が流れたとか、叫竜の姫のセリフの中に、「お前は地球人だろう?地球の敵に飼われて、それで満足か?」みたいなものをいれるとか。
でも、そうすると、サプライズにはならない。
やっぱり、アイディアとして、敵が宇宙人だったというのは、この物語にそぐわないような気がする。