アニメ「百錬の覇王と聖約の戦乙女(ひゃくれんのはおうとせいやくのヴァルキュリア)」は、鷹山誠一氏によるライトノベル「百錬の覇王と聖約の戦乙女」のアニメ化作品である。
タイトルから、現代の過去の戦記ものか?と予想していたが、異世界転生モノらしい。
そして、主人公は、なんとスマートフォンを使って、異世界での地位を確立している。
第1話を見て思ったのは、総じて「説明がよろしくない」ということだ。
物語の序盤で、敵の兵が「あの槍…鉄なんじゃ?」と驚くシーンがある。とりあえず見ている方としては、「え?なんでそんなことで驚くの?」という疑問しかおきない。
こういうシーンをいれるのなら、序盤にこの「世界」の技術レベルを示しておくべきだろう。
次によくわからないのが、ファリシアが、飛んでくる矢を手で掴んだり、複数の矢を「縄」で防いだりするところだ。
フェリシアが光を纏っているし、これはどうみても、異世界にある超能力か魔術的なものだと思う。
ところが、あとで主人公は、「ここは異世界じゃない・・・・」と説明する。
現代に無い「力」がある世界が異世界じゃないなんていうのは、ちょっと納得しにくい。
っていうか、縄?ムチじゃなくて?
一方で、主人公が今の状況をナレーションで説明するシーンがある。
ライトノベルをアニメにするので、どうしてもナレーションを使いたいとは思うのだが、アニメの場合は、ナレーションを使うと、画で説明する力が足りない、と言っているようなものだ。
説明不足とは違うが、なんでわざわざ拳の指の方で机の上を殴るのか。
普通、握りこぶしの下の小指側の方じゃないか?
最近、作品のこういった齟齬を指摘してばかりいる。でも、作品に没頭して視聴できるかどうかは、こういった細かいディテールが大事だ。
凡庸な作品と、面白い作品には、こういうところに差があると思う。