TVアニメ『グランベルム プリンセプスのふたり』は、Nexus制作によるオリジナルアニメである。
ライトノベル『Re:ゼロから始める異世界生活』のイラストを担当する大塚真一郎氏と、同作のアニメで監督を務めた渡邊政治氏が手がけている。
名作「魔神英雄伝ワタル」を彷彿とさせる2等身ロボットのアクションはわかりやすく迫力がある。
作画も安定している。
あとは、ストーリーが良いかどうか。
評価としては、ちょっとテンポが早いかな、という部分と、多少説明不足なところがあるように感じた。
冒頭、赤い月をみながら、主人公(?)満月が洗い物をしているところから話は始まる。
おそらくは、現代の日本を描いている―――――と思うのだが、その確信を持つ前に、満月が幻想空間に転送されてしまった。
「リゼロ」の冒頭も短いが、最初のシーンは現代の象徴ともいえるコンビニから転生していることで、現代から異世界への転送がはっきりしている。
しかし、グランベルムでは、赤い月があったこともあり、舞台がはっきりしなかったように思える。
例えば移動中に車がいっぱい通る交差点など入れるなどして、まずは現代の日本ということをはっきりとさせるべきだった。
また、この世界で戦うリスクが分からないので、主人公の危機感がイマイチ伝わってこない。
だから、主人公の叫びにちょっと興ざめしてしまう。
この幻想空間で怪我をしたり、負けたり、死んだりした場合、魔術師はどうなってしまうのか。
「魔法少女まどか☆マギカ」や、「ゆゆゆ」みたいな作品があるだけに、早いうちにこの世界観を示した方がよかったのではないかと思う。
主人公覚醒まで描いて終わらせたかったのかもしれないけれど、ネタバレになりそうなOPは後回しにして、尺を有効に使うとか、彼方のアストラのように、初回は1時間としてもよかったのではなかろうか。
といいつつも、美少女+ロボットは、それだけでもテンションがあがる。
今後の展開と、渡邊政治氏の手腕に期待して、視聴を継続する。