食戟のソーマ 神ノ皿 第11話がとにかく面白かったのである。
食戟のソーマは、「食戟」という、料理対決をメインとしたバトル漫画である。
特徴的なのは、美味しいものを食べたキャラクターは、なぜか脱いでしまう―――――というおバカな表現が基本となっていることだ。
ただ、おバカな表現だけではなく、たまに超シリアスであったり、主人公ソーマがかっこよかったりするストーリーが組み込まれる。
バカをやりつつも、その中にはジャンプ特有の王道が通っている。
第11話は、自分の偏った料理観をもとに、十月学園を我が物にしようとする「薙切 薊」を、ソーマ達がついに打倒するという話である。
詳細は省くが、この薙切 薊は、ソーマたちが敵対する組織のトップ。
第9話では、なぜかこのアザミが審査員になってしまう。
審査員になれば、料理の審査などどうにでもなる。
こんなの勝ち目があるわけないじゃん、いったいどうするんだと思っていたのだが、ちゃんと突破口が用意されていた。
それが、この「おさずけ」である。
薙切 薊が料理を美味しいと思ってしまうと、なぜか周りの人が脱いでしまうという、ホント笑うしか無いバカなアイディア。
このおさずけが登場したのは今回が初めてではなく、ずっと前のエピソードになる。
最初にみたときはあまりのバカさに笑ってしまったのだが、これが今回の話の肝になるとは思わなかった。
薙切えりなのスペシャリテを食べてしまった薙切 薊のおさずけ発動!
ほとんどのキャラが脱いでしまう異常事態。
同時に、薙切 薊の敗北をわかりやすく成立させてしまった。
第11話は、「食戟のソーマ」という漫画のシステムを十二分に生かした神回であったといえよう。
正直、ソーマの「化けるふりかけ」とか、「ゲソピー」を生かした料理が、司先輩達の料理を上回るのはちょっと無理があったような気もする。
ただ、このアニメには、そんな細かいことはねじふせてしまう勢いと面白さがある。
面白かったので3回見直してしまったが、おさずけが発動したシーンは、あまりにもバカバカしく、3回とも大笑いしてしまった。
でも、こんなバカな展開なのに、終わった瞬間には、妙な清々しさが残った。
きっとバカはバカでも、このアニメの全力をみたからであろうか。