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神様になった日 第12話 (最終回)感想  ハードルは越えられなかった

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 テレビアニメ「神様になった日」 が無事大団円を迎えた。

 まずは、このコロナ禍の大変な中、作品を無事作り終えたスタッフ、関係者、声優の皆様、大変お疲れさまでした。

 

 それはおいといて、この作品の評価を。

 

 まずは良いところ。

 作画は実に素晴らしかった。最初から最後まで、文句のつけようがない出来。P.A.WORKSさん、がんばった。

 次に声優さんの演技。これも文句なし。主演の佐倉綾音さんはそのルックスが話題になりがちだけど、主人公ひなを、これ以上無いぐらいの出来で演じきったと思う。

 

 次に良くないところ。

 脚本が良くなかった。

 ツイッターで賛否両論が巻き起こっているけれど、自分は「否」である。

 

 もともと、この作品の評価のハードルは高かった。

 脚本は麻枝准氏、制作会社はP.A.WORKS、主演は佐倉綾音さん。

 そうなると、どうしても名作「Charlotte」が比較対象となってしまう。

Charlotte

Charlotte

  • メディア: Prime Video
 

 

 残念ながら、「神様になった日」は、Charlotteと比べると、どうしても話のインパクトは弱い。

  そして、それ以外にも良くない点がいくつかある。

 

1.ストーリーが、マイナスの動きである

 

 荒木飛呂彦先生は、著書の中でこう述べている。

 作品がヒットするためには、プラスを重ねていかなければならないと。

 

 「神様になった日」は、「世界の終わりまであと何日」という描写などなど、壮大なファンタジー要素の前フリがあったにも関わらず、最後は現実的なところに着地した。

 

 これは、マイナスの動きだ。

 

 

 ファンタジーから現実への着地がプラスかマイナスかという議論はありそうだが、少なくとも「神様になった日」では、マイナスの方に分類されると思う。

 

 さらに、当初、健康体で現れたひながまともに動けない体となってしまったこともマイナスの要素だ。

 

2.最終回の主人公の対応がよろしくない

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 量子コンピューターを抜き取られ、ほとんど廃人と化したひなに対し、陽太が感情を高ぶらせてひなを怯えさせるシーンが何度かみられた。

 この描写は、必要だっただろうか?

 なんらかの意図があったのだとしても、こちらとしては、イライラするばかりだった。

 そんなことはしなくても、例えば最初は陽太を見ただけで怯えるとか、他の男性職員にはずっとひなが怯えるけど、徐々に陽太に対しては態度を変えるとか、もっと「現実的な」やり方はあったはず。

 なぜこの描写を選んだか、理解に苦しむ。

 

4.タイトル回収の意味

 

 結局、この作品が示す「神様になった日」の意味は、「陽太の進路を決める存在」ということで良かっただろうか?

 個人的には、全然しっくりこない。自分の進路を決めてくれた人のことを、恩人とは言うかもしれないが、あんまり神様とは言わないんじゃないか。

 

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 などなど、色々書いてしまったけれども、前述のように、作画や声優さん達の演技は素晴らしかった。ツイッターをみていても、「感動した」という意見は少なくない。

 

 批判的な意見を書いておいてなんだけど、P.A.WORKSさんの次回作には期待しているので、少しでも多くのファンがいて、この作品のブルーレイを買ってくれることを祈る。