小説、コミックスは、ともに面白い。両方とも、エピソードを丁寧に表現していて、すごく好感が持てる作品といえる。
しかし、正直アニメはイマイチな出来で、原作を生かしきっているとは言い難い。
はしょるところが多すぎて、小説、コミックスの上っ面をなでているような感じがする。
コミックスでは、今回出てきた薬師さんは、最初はセイの能力をいぶかしむ様子が描かれていた。だからこそ、あとでセイのことを見直すシーンが効果的になっているけど、アニメではそれが無くなってしまった。
この筋肉男も、コミックスでは、もっと出番があって、ホークともからむシーンがあった。
しかし、アニメではほんのちょい役になってしまった。
構成は、わりと有名な小説家さんがやってるはずなのだが、どうしてこうなったのだろうか。
おそらくは、きりのいいところで終わらせるという構成なんだろうけど、そのせいで、原作のいいところがずいぶんとスポイルされている。
「聖女の魔力は万能です」は、湯水の如くあふれる異世界ものの中で、頭一つ抜けた存在であり、内容は良いのだから、2期ぐらいに分けてじっくりやっても良かったと思う。