現代の日本人が、命を落とし、異世界で「なぜか」最強の力を得て無双する。
こういう設定のアニメは実に多い。
目の越えたアニメファンに最終話まで完走してもらい、円盤を購入してもらうためには、他の作品にはないオリジナリティを出した上で、面白いと思えるような要素を詰め込む必要がある。
その要素は、なんでも良い。
ストーリー、キャラクター、セリフ、演出、作画。なにか一つでも見るべきものがあれば、視聴者を引き付けることができる。
しかし、この「転生賢者」には見るべきものがほとんど無い。
ストーリーはありきたりだし、セリフにぐっとくるものがなく、作画も普通だ。
唯一、しゃべるスライムと受付嬢が可愛いぐらい?
ストーリーについては、アニメ化スタッフもなにか思うところはあるのだろう、原作とは異なり、「転生」するシーンを飛ばし、派手な見せ場を第1話に持ってきた。
しかし、これはまったくの逆効果ではなかろうか。
設定がわからないから、主人公が使っている魔法のレベルが分からないし、出てくる登場人物達にも思い入れはないから感情移入も出来ない。
結果として、量産型異世界転生アニメの域を出ていないので、これでは目の越えたアニメファンへのアピール度はかなり低いのではなかろうか。