作画が実に素晴らしかった。
特に戦闘シーンの動きの動きと迫力は劇場版といっても差し支えない出来。
動きの良さに加え、倉庫内の明暗をうまく使って、迫力ある映像を作り出したスタッフの力量は素晴らしいというほかはない。
序盤の第何話かで作画が甘いところがあったけれど、おそらくは、作画版のリソースをここへ集中させたのではなかろうか。
一方、ストーリーもかなり良いものであった。
ヒーローがヒロインの窮地に現れ、颯爽とヒロインを助ける、というのは、視聴者にカタルシスを与えてくれる、アニメの定番のひとつだ。
しかし、よう実の12話は、ちょっと趣が異なっている。
普通は、ヒーローが、なんの見返りもなく、一刻を争う感じで助けにくるものだ。
ところが、清隆は軽井沢を利用するために、一度軽井沢を罠にかけている。さらに、軽井沢が拷問を受けていることを知りながら、ちょっと遠回りしてきたようなところがある。
さらに興味深いのは、軽井沢が、清隆に利用されていることを感じていながらも、清隆のことを守ろうとしているところだ。
この辺の匙加減はものすごく絶妙だ。少しでも配分を間違えれば、茶番になったり、胸糞悪い印象を受けることになる。
だが、ドラゴンボーイたちを圧倒的な力でねじふせた清隆は問答無用でかっこよく、清隆を最後まで守ろうとした軽井沢はものすごく健気で、この二人の関係は、観ていてすごくゾクゾクした。
SNSでは、神回という声が多い。自分としても、今回は、年に何度かしか出会えない、アニメの神回であった。