TVアニメ「とんでもスキルで異世界放浪メシ」は、江口連氏による小説のアニメ化作品である。
赤岸K氏の作画で、コミカライズも発刊されている。コミックの方は、発売されれば必ずランキングの上に顔を出す人気作品である。
ネットスーパーという固有スキルを駆使して異世界を渡り歩くストーリーはオリジナリティにあふれており、最新刊の発売をずっと楽しみにしている。
アニメ化されるのは時間の問題とは思っていたが、制作会社がMAPPAさんになったので、かなり面白いアニメになると期待していた。
ところが、である。
残念なことに、セリフや構成が、原作からずいぶんと変えられてしまった。
もちろん、良い方向になればよいのだが、おかしいところが散見される。
これは、アカンタイプ(改悪)のアニメ化だ。
例えば、原作では、
ポトフ→レッドボアを討伐→レッドボアの肉を使った生姜焼き
という流れだった。
これがアニメでは、
レッドボアを討伐→ポトフ→レッドボアの肉を使った生姜焼き
という不自然な順番に変えられてしまった。
これはどう考えても構成がおかしいだろう?
そしてもう一つ。
フェルがムコーダ達を付けている様な描写がある。
これも明らかにおかしい。
フェルは実に短気で、我慢というものを嫌うキャラだ。絶対に、ムコーダたちをつけて歩くなんてことをするキャラではない。
脚本書いた人に、原作をちゃんと読んでるんですか、と、小一時間問い詰めたい。
そしてかなり残念だったのが、ヴィンセントのキャラデザがまったく別人になっていたことだ。
こうしてみると、赤岸Kさんの画は少し荒くみえるけど、独特の味があるいい画だということに気づかされる。
アニメの悪いことばっかりではなく良いところを。
作画の出来は、さすがMAPPAさん、実に素晴らしい。
声優さんのイメージもぴったりだ。
エバラとか、実際の会社名を使っていることもすごく良い。
いいことづくめなのに、脚本だけがおかしいことになっている。
第2話以降は、原作を大事にした脚本になっていることを祈る。