なんという超絶作画。
細かく書き込まれた人物の髪、瞳、服が、様々な構図で滑らかに動く。
ブローチやタイプライターなどの小道具の質感も美しい。
このアニメの放送前に、何度かCMをみていたが、CM用だからこそのクオリティなのだと思っていた。
まさか、あのCMのクオリティを保ったまま、本編が放送されるとは思わなかった。
ヴァイオレットエヴァーガーデンをみたら、他のアニメの画が陳腐に見えてしまいそうだ。いや、もう実際に、そうなっているが。
加えて、光の表現もすごい。
変な言い方かもしれないが、画のはずのキャラクター達が、自然光で光っているようにみえるのだ。
ストーリーの方でも、その光を上手く使っている。
ルクリアがヴァイオレットに両親や兄のことを話すシーンでは教室を薄暗くし、次にヴァイオレットがルクリアに兄に手紙を届けるシーンは、ランプの光だけがヴァイオレットとルクリアの兄を照らし出す。
そして、ヴァイオレットが講師から卒業の印を受けるシーンでは、教室に鮮やかな朝日か差し込む。
登場人物たちのセリフだけでなく、光の表現も、ヴァイオレット、ルクリアの心情を描写していて、実によく考えられていると思う。
京アニは、作画技術だけでなく、このへんの細やかさも、他のアニメ会社の追随を許さない。
深夜アニメは乱立しており、少ないパイを争って、各社しのぎを削っているところだと聞く。他のアニメ会社は、このヴァイオレットエヴァーガーデンをみて、戦々恐々としているのではなかろうか。