深夜のランダム・ウォーク

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異世界薬局 第3話 感想 残念な構成と演出



 

 異世界薬局第3話は、原作ファンとしてはかなり残念な構成となってしまった。

 

 今回は、ファルマがエリザベートを現代医学の知識と「祝福」を生かして救うというストーリーで、「異世界薬局」の見せ場のひとつになっている。

 

 

 今回は、ファルマ達が皇帝エリザベートのもとへ赴くシーンから、ファルマとブリュノの和解までが描かれた。

 

 確かに、1話で納めると考えれば、そういった構成になるのかもしれない。しかし、これはあまりにも尺が足りなすぎやしないか。

 

 30分に納めるために、原作にあった良いシーンやセリフは、ずいぶん削除されてしまった。

 

 ファルマのことを心配するロッテとエレンのシーンもそうだが、特に解せないのはファルマがエリザベートの病気を診断するシーンの大幅な簡略化だ。

 

 ファルマの診眼は、診断と病巣の色の変化で病気を判断する。このあたりの表現は白黒のマンガでは不可能で、アニメで映えるシーンのはず。

 

 もちろん、時間内に切りの良いところで収めなければならないという制限はどうしてもあるのだから、ある程度のカットはしょうがない。ただ、納得いかないのが、原作にはないセリフや演出が加えられていることである。

 

 それが良い効果を与えているのであれば文句はない。しかし、個人的にはあまり感心しない物が多い。

 

 特におかしかったのが、ファルマがマスクをして現れたことだ。

 

 

 感染症対策としては当たり前なのかもしれないが、だったらあの部屋にいる人達へマスクを配るべきじゃないか。

 

 特になんの説明もなかったし、アニメとして面白い効果も何も与えていない。

 

 これは想像だが、演出のアイディアは上がって脚本には取り入れられたものの、物語として消化されずに残ってしまったのではないか。

 

 脚本を書いているのは名作「俺ガイル」の渡航氏だ。ディオメディアと組んでアニメをつくるのは「聖女の魔力は万能です」に続いて2作目になる。

 

 聖女も異世界薬局も標準以上に面白いマンガだ。しかし、残念なことに、アニメになると凡庸な作品に成り下がっている。

 

 人気作品をつくった小説家としては色々と手を加えたくなるのかもしれないが、原作ファンとしては、もっと原作を大事にしてほしいと願うばかりだ。