今回はネタバレがあるので、第1話の先を知らない人は、このページを閉じたほうが良い。
TVアニメ『蜘蛛ですが、なにか?』は、馬場翁氏による「なろう小説」のアニメ化作品である。かかし朝浩氏によって、Webコミック版も連載されている。
異世界転生モノではあるが、女子高生がクモのモンスターに転生するという、異色の作品である。
そしてこの作品のすごいところは、転生してからずっとクモのままだということだ。
コミックスはもう9巻出ているが、クモ子が地道にレベルアップし、得られたスキルと戦略を頼りに、強力なモンスターを倒していくというスタイルはずっと変わらない。
そして、さらにすごいのは、ほとんど人間が出てこないということである。さすがに最近は、人が出てくるようになったが、それでもモンスターのレベル上げに特化したストーリーを積み上げるアイディア力には素晴らしいものがある。
さて、アニメの方は、だいぶアレンジが強めになっている。
特に、クモ子のキャラデザは、ずいぶん思い切っている。
しかも、3Dにするとは予想外だった。
さらに、敵モンスターも3D。
キモい感じがよく出ているし、動きも悪くない。
クモ子のCVに、悠木 碧さんにしたのは英断だ。
この30分間の独り語りを、ここまで完璧に演じられる声優さんは、なかなかいないんじゃないか。
難易度の高いEDを歌い上げた歌唱力もすごい。
で、ここまでの出来は、なかなか良いと思ったのだが・・・・。
突然出てくる人間やエルフ。
WEBコミックにはこんなシーンはない。
なろう小説も読んでみたけど、やっぱり無かった。
これは、アニオリだろうか。
確かに原作は、ほとんどがクモ子の視点のみで語られるので、話としては単調になるのかもしれない。
でも、得体のしれない地底の底で、クモ子が奮闘するのが面白いんであって、こういう人間パートは不要じゃなかろうか。
アニメの開始前、なぜか人間キャラ多めのティザービジュアル見て、ちょっと嫌な予感がしたんだよな・・・。
よいアレンジになればいいのだけれど、蛇足にならないことを祈る。