第2話から第4話まで一気にみた。
けっこう面白い。
分析してみると、メインのストーリーはよくある異世界転生ものだ。
言ってしまえば、「無職転生」とほとんど同じと言ってもいい。
中年の男が転生するというのもそうだが、特に魔法の先生が来るところなんかはまったく同じだ。
それでも、原作者さんは視聴者を引きつけるために、計算しながら話をつくっているのではないかと思われる。
感心した点をつれづれなるままに書いてみたい。
1.話の全体的なストーリーとして、目的を設定している
荒木飛呂彦先生は、著書の中で、読者を引きつけるために、物語は常に目標に向かってプラスでなければならないと書いている。
他の異世界アニメだと、特に目標もなくレベル上げしたりモンスターを倒したりするものが多い。その話自体が面白ければよいのだが、それも弱いとなれば、視聴者から切られてしまうわけだ。
しかし、「世界最高の暗殺者」では、勇者を暗殺するという目標を設定している。そして、主人公の行う行動は、全て勇者を暗殺するためのものであり、日々努力し、力を蓄えている。
こういう作り方をすると、話として達成感が感じられるし物語の続きが気になってくる。
2.それなりのオリジナリティを追求している
暗殺者を転生者に設定していることもそうだが、魔法の詠唱の仕方にも変わった設定を設けている。
よく分からない言葉を魔法のキーワードにしているのは他にもあったけれど、鉱物の組成などを持ってきているところは面白いと思う。
3.主人公をあくまで「正義」側に置こうとしている
第3話のエンディング付近で、主人公の父親は、暗殺の心構えを説く。それは、あくまで暗殺は人間の倫理観に則って行うとのことだった。
暗殺者であるから、ひとつ間違うと「悪側」に立ってしまうわけだが、このシーンがあることで、主人公は「正義側」に立っていることを視聴者に印象づけることができる。
やっぱり、物語の主人公は正義側にあるべきで、そのほうが感情移入もしやすい。
4.エロいシーンの使い方が絶妙
他の異世界アニメの、お約束のラッキースケベにはしらけてしまう。
しかし、暗殺者の方では、「成長度チェック」と称して、対象者を全裸にして筋肉の状態をチェックする。これがまぁエロいのなんの。
第4話では主人公がタルトをチェックしていたが、第2話で主人公がチェックを受けているという過程があることで、また第4話のシーンが効果的に良くなっている。
怪作「回復術士のやり直し」でもそうだけど、原作者の月夜涙氏は、こういうシーンのやり方が実に上手い。
このあと勇者も出てくるだろうし、どんな展開になるか、けっこう楽しみだ。