(あらすじ)
「日本一のウマ娘」を目指すため、トレセン学園へ転入してきたスペシャルウィーク。初めてのレース観戦でサイレンススズカに心を奪われた彼女は、スズカのチームに入部を希望し、入部テストを受けるのだが……。
アニメ「ウマ娘」は、Cygamesが贈るメディアミックスコンテンツ『ウマ娘 プロジェクト』の一つである。
ゲームと一緒につくられるアニメには、あまり良いものがあった記憶が無い。
ゲームには力が入れられるものの、アニメについては「販促」的な意味合いが強く、たいてい、時間と予算が無い中で脚本がつくられるので、つまらないものになってしまうことが多いのである。
ところが、「ウマ娘」第1話、第2話は実によくできていた。
SFまでは行かないまでも、こういった非日常系のアニメでは、まず、世界観をみせることが必要だ。
ウマ娘では、レースのことを何も知らない主人公が初めてレースをみるシーンを入れることで、ナレーションなどに頼らず、説明っぽくなることなく、このアニメの世界観を説明できていた。
次は、登場キャラクターをいかにわかりやすく紹介するかという課題がある。こういったゲームでは登場キャラクターが多くなるもので、必然的にアニメに登場するキャラクターも多くなってしまう。ゲームならいいが、リアルタイムで観なければならないアニメでは、いかに視聴者を混乱させずにキャラクターを紹介するかが難しいところだ。
ウマ娘では、こんな感じでテロップを多用して、キャラクターを紹介する手法を取っていた。また、今の所、キャラクターは多いものの、ストーリーにはあまり関係ないので、第1話、第2話を見る限り、「お前誰だ?」的な混乱は特に無かった。
一方で、ハルウララという、分かりやすいキャラクターをつくっているところも、キャラクター設定のセンスを感じる。
また、1話、2話では主人公スペシャルウィークのバックボーンにスポットを当て、主人公を立てることにも成功している。
このように、話の作り方とか、キャラクターの説明の仕方とかの上手さは、同じゲームの販促アニメ刀使ノ巫女とは一線を画している。
そしてこのアニメの最大の特徴はなんといっても、
このウイニングライブであろう。
これには度肝を抜かれたと言うか、もう笑うしか無いし、良いアイディアだと思う。
第2話のオチでもこのウィニングライブを上手く使っていた。
このアニメの脚本を書いている人は誰か分からないのだが、なかなかのやり手なのではなかろうか。
画についても、さすが、P.A.WORKS。作画も安定しているし、動画の動きも良い。
競馬については全然詳しく無いので、アニメをみている限りではわからないが、このウマ娘には、実際の競馬の史実が盛り込まれているらしい。
第1話、第2話を見る限り、Cygamesはかなり力を入れて、このアニメをつくっているようである。
あとは、なにか1本ストーリーの柱があれば、もっと面白くなりそうだと思う。
今の所、スペシャルウィークが日本一を目指すという目的があるけれど、それでは少し弱いような気がする。
とりあえず、しばらく視聴決定である。