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映画『ゴジラ-1.0』 感想 予想以上の超傑作

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 映画、ゴジラ-1.0を観てきた。
 
 正直、あまり期待していなかった。
 
 ゴジラを扱った作品の中では、シン・ゴジラが最高傑作。
 
 BS12でゴジラVSデストロイアとか、ゴジラ2000とか放送していたけど、ストーリーが陳腐でもう観られる代物じゃなかった。
 
 だから、きっと今回のゴジラも、たいしたものじゃないだろう。そう思っていた。
 
 ところが、このゴジラ-1.0が、超良かったのである。
 
 もう、シン・ゴジラと同じぐらい面白かったと言ってもいいぐらい。
 
 とにかく、映画館に行って2千円払っても、全然惜しくない。
 むしろ、もう一回見に行ってみたい。
 そう思わせてくれる映画であった。
 
 
 そして、以下はネタバレの感想へ続きます。
 
 

1.戦後の表現

 無理だろうと思っていたのが、終戦直後という時代の詳細な映像化。
 
 ゴジラだし、どうせつくりが甘いんだろう・・・なんて予想していた。
 
 ところが、そんなことは一切なく、終戦直後の描写がほぼ完璧に再現されていた。
 

2.ストーリーとセリフ。

 ゴジラ映画でとにかく陳腐なのが、無理にSFっぽくしようとする、なんの根拠も無いストーリ-やセリフの数々。
 
 ゴジラマイナスワンの公開に合わせて、ゴジラデストロイアとか、ゴジラ2000を放送していたけど、そういうのはしらけるようになってしまった。
 
 昔はそんなに気にならなかった。おそらくは、シン・ゴジラをみてしまったからだろう。
 しかし、ゴジラマイナスワンでは、そういうセリフが一切無い。ストーリーも、セリフも無駄なものがなく、かなりの現実感と説得力があった。
 
 ゴジラを倒す方法もかなり良かった。水圧で殺すアイディアが良かったし、戦闘機が止めになるところもそうだし、その飛行機を飛ばすための整備士を、冒頭での因縁の相手に頼むところも良かった。
 

3.キャスティング

 過去のゴジラ映画では、演技が上手いとはいえないアイドルとかモデル上がりの新人女優を使う傾向があった。
 しかし、ゴジラマイナスワンでは、演技派の俳優さんが揃っていた。もちろん、演技もみんな素晴らしかった。
 

4.ゴジラの造形と特徴

 ゴジラには色々なタイプがある。シン・ゴジラでは、あまり早く動かず、どっしりとした感じであった。
 ゴジラマイナスワンでは、かなり俊敏で、獣のようなイメージだった。高速でかみつこうとする動きはかなりの迫力があった。
 放射能火炎を吐くときに、背びれがせり上がるシーンも良かったし攻撃を受けても超回復する能力も良かった。
 

5.マイナス点

(1)ゴジラに対しての敬礼

 崩壊していくゴジラに対し、船員たちが敬礼したのは、かなり違和感があった。
 
 やっぱり、SNSでも意見が割れている。
 
 自分と同じように、敬礼する意味が分からなかったという意見がある一方で、思わず敬礼してしまった、という意見もあった。
 
 SNSの意見で、「戦争中、日本軍がは敵艦に対して敬礼していた。映画ゴジラゴジラに相対したのは軍人なのだから、あれは自然なこと」という意見があった。
 
 
 海の上で、艦隊戦を繰り広げた末に沈んでいく敵艦に対してなら、分からないまでもない。
 
 しかし、日本に上陸して街を破壊し、人々を殺戮したゴジラに対して敬礼というのは、ちょっと、というか、かなり違和感があった。
 
 普通に、みんなで抱き合って喜んだほうが良かったような気がする。
 

(2)神木隆之介くんの生還

 これは好みの問題だろうけど、神木隆之介くんは、ゴジラの口の中で爆散しても良かったような。
 
 前述の敬礼も、神木隆之介くんの特攻に対してだったら、かなり感動的なシーンになったと思う。
 
 そのあと、実は浜辺美波さんが生きていて、安藤サクラさんが神木隆之介くんの死を告げる―――――なんてシーンは、涙無しにはみられないだろう。
 
 昔は悲劇が多かったような気がするけど、最近はそういうのは避けられる傾向にあるように思う。
 
 しかし、初代ゴジラで、オキシジェン・デストロイヤーを開発した芹沢博士もゴジラと共に消えた。
 神木くんが死んだとしても、初代ゴジラのオマージュとしても良かったのではなかろうか。
 

6.まとめ

 ラストシーンはとにかく難しいし、万人を納得させるようなシーンを作ることは不可能だ。
 きっと、このラストが、ゴジラマイナスワンという素晴らしい映画をつくりあげた 山崎貴監督の最適解だと、今は納得している。
 
 ゴジラマイナスワンは、ありがたいことに白黒での上映が予定されている。これも、絶対に見に行きたい。