TVアニメ『薬屋のひとりごと』は、日向夏氏による同名小説のアニメ化作品である。
架空の中華風帝国を舞台に、後宮に勤める官女が王宮内に巻き起こる事件の謎を薬学の専門知識で解いていく。
主人公の官女、猫猫は、薬師の娘で薬の知識が豊富である一方、毒を自分の体に与えてその効果を試すというサイコパスな一面がある。さらに好奇心旺盛で、推理力があり、ちょっとした正義感も持っているという個性的なキャラクターだ。
2021年11月時点で『薬屋のひとりごと』のスクウェア・エニックス版のコミックス累計部数は700万部、2023年6月時点で小学館版のコミックス累計部数は850万部(電子版含む)。 2023年9月時点で全シリーズ累計2400万部を突破している人気作品である。
その原作をアニメ化した本作は、紛れもなく今季の注目作品の一つだ。
―――――さて。このような原作をアニメ化するのであれば、最もいい方法がある。それは、コミックスの原作をそのまま脚本化し、作画とアニメの演出に力を入れるというものだ。
逆にダメな方法は、原作を改変してしまうことだ。これをやると、ほぼ100%といっていいほどアニメがつまらないものになる。だいたい、コミックスは話の構成が完璧で面白いからこそ売れているわけで、それに下手に手を入れれば、面白くなくなるのは当たり前のことだ。
そしてアニメの第1話、どんな脚本かと思ってみてみたが、残念ながらおかしな改変が多く入っており、はっきり言ってげんなりしてしまった。
第1話の見どころは、後宮で幼児の変死が相次ぎ、その原因を猫猫が明らかにするところと、そして壬氏が猫猫の存在に気づくところだ。
コミックスでは、当然その謎の解明を後半に持っていくし、見せ方も工夫している。ところが、アニメではあっさりと妃がセリフで「おしろいは毒」と言ってしまう。
おもしろいかな、これ?
おしろいは毒ってのは、アニメでは異世界薬局でもやっていたし、アニメ脚本担当はインパクトが薄いと思ったのだろうか。いずれにしても、あまりのセンスの無さにがっかりだ。
作画は綺麗、たまにディフォルメが入る演習も良い。声優のキャスティングもみんなイメージ通り。
しかし、脚本だけは、上に上げた以外でも、コミックスとの違いを無理にだそうとして、逆効果になっている。
もうちょっとみてみるけど、あんまりおかしなことばかりやるようなら、途中で切ってしまうかもしれない。
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